医情研通信 Column & Blog

医療・医薬業界
どーせなら、覚えちゃお!
UP DATE

<どーせなら、覚えちゃお!UP DATE>
Q:新医薬品と報告品目の違いって?

2024年4月11日

A:
 新医薬品とは,製薬企業が10年~15年という長い研究開発期間をかけて,新しい成分
の有効性・安全性が確認された後,医薬品医療機器総合機構(PMDA)の審査を経て,厚
生労働大臣が「薬事審議会」に諮問,答申(承認)を経て製造発売された医療用医薬品
のことです。これに対して報告品目とは,既に承認されている医薬品と,有効成分,用
法・用量,効能が同一か,もしくは用法・用量,効能がその範囲内の医薬品で,審議会
に正式に諮問せずに,審議会に設置されている医薬品第一部会・医薬品第二部会等に報
告して承認される医薬品のことです。

<さらにくわしく>
 薬事審議会の医薬品第一部会,医薬品第二部会は,製薬企業から製造販売の承認申請
が出され,厚労相から諮問された,①新しい有効成分が含まれる医薬品②新しい医療用
配合剤(何種類かの医薬品の成分を一つの医薬品の中に含ませた医薬品)③新たな投与
経路医薬品(経口,注射,吸入,点眼など)④新しい用量医薬品(効能追加など)⑤新
たな剤形医薬品(錠剤,散剤,カプセル剤,液剤など)-などについて審議します。新
医薬品は,薬事審議会の承認(答申)を経て,製造承認されます。

 これに対して,報告品目は,薬事審議会の諮問・答申を経ずに,厚労省の事務局で処
理し,医薬品第一部会・医薬品第二部会に報告して承認を得る医薬品で,新医薬品以外
のものです。既に承認されている医薬品と同じ薬理作用に基づく効能効果の追加申請等
の場合などで,剤形の追加,規格の追加,製品のキット化などがあります。ただし,①
明らかに異質の効能を追加しようとする新効能医薬品②大幅な増量により,異なる作用
機序,新しい効能を追加する新用量医薬品③新医療用配合剤に該当するもの-は,各部
会の審議の対象となります。

 厚労相から医薬品の製造承認の諮問を受けるのは,薬事審議会です。実質審議を行う
のは審議会に設置されている医薬品第一部会,医薬品第二部会等ですが,「申請医薬品
の適用,毒性,副作用等からみて慎重に審議する必要がある」との各部会の意見をもと
に判断された医薬品については,薬事審議会での審議対象となります。また,既に承認
されている医薬品と「有効成分,用法,用量,効能が同一であるか又は用法,用量,効
能がその範囲内」の医薬品の場合は,厚労省事務局で処理されます。
  
 ちなみに,この業界に長くいる方々のために,「そう言えばそうだった!」ネタをひ
とつ。報告品目は,2000年9月まで「相談品目」と言われていましたが,同年10月から
「報告品目」に改められました。
コラム&ブログ Column 資料室 Archive 制作書籍 Books

Page Top