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医療・医薬業界
どーせなら、覚えちゃお!
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Q:薬価改定って、なに?

2023年6月15日

A:
 というわけで、前項で「薬価基準」を覚えちゃいました。今回はその流れで「薬価改
定って、なに?」です。

 医療保険制度で使用される医薬品の公定価格(以下、薬価)については、薬価基準で
定められているのですが、この薬価は定期的に価格の見直し作業が行われます。
手順としては、厚生労働省が、医療機関、保険薬局と医薬品メーカー、医薬品卸との取
引価格を調査し、薬価基準の価格と実際の取引価格に差があれば、一定のルールに従っ
て厚生労働大臣の権限で薬価の引き上げまたは引き下げが実施されます。これが「薬価
改定」です。
 元々薬価改定は2年に1回行われていましたが、2020年の大改定(改定対象は全医薬品)
に続いて2021年には初めて中間年改定(薬価と実際の取引価格に一定の差がある一部医
薬品が対象)が行われ、それ以降は毎年薬価改定が実施されています。

 医療機関等からすると、医薬品の公定価格と実際の取引価格に差があれば、その差額
分が医療機関等側の利益(薬価差益)になるので、価格交渉に厳しくなるわけです。以
前は、この薬価差益が「1兆円を超えている」と保険者団体が指摘したこともあり、こ
の薬価差益を縮小することが医療費適正化対策の中心課題でした。
 しかし、いくら薬価調査を実施して実際の取引価格に近づけても、薬価改定が終わっ
たあとの価格交渉で実際の取引価格が下がってしまうので、医薬品メーカーなどは薬価
制度の見直しを求めています。
 薬価調査の結果、薬価基準は引き下げられます(一部例外はあります)が、引き下げ
られた部分については、日本医師会などは従来、医師の潜在技術料であるとしてその部
分の保険財源を診療報酬に振り向けるように主張し、厚労省も医療保険制度に投入する
一般会計(予算額)が抑えられるので、薬価改定による引き下げ分を診療報酬改定財源
に充当する方式が慣例化しています。
 ただ、現在では医薬分業が進み、入院を除くと、外来の薬剤費は保険薬局に流れてい
ます。つまり「薬価差益」は病院・診療所に比べ、保険薬局の方が大きいため、医療機
関からは保険薬局の薬剤費適正化を求める主張もされるようになってきました。
 いずれにしても薬価基準は、医薬品流通の実態を反映して改定されるので、流通問題
の改善が急務とする意見も強くなっています。

というわけで、薬価改定とは「2年に1度(近年は毎年)実施される薬価基準の価格見
直し」です。どーせなら、覚えちゃお!


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