医情研通信 Column & Blog

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治りませんよと言われたけれど

2021年11月4日

この秋,足掛け4年にわたった皮膚科の治療が終わりました。

最初に行ったのは自宅近くの評判の皮膚科。
しかし,治る兆しは一向に見えず,
毎回違う薬を出されるようになり,やがて受診のたびに先生が
「これはねえ,なかなかやっかいなんですよ」
「むずかしいのよねー,これは」
と独り言をつぶやくようになり。

こらあかん,と次に行ったのが会社の近くの皮膚科でした。
ホームページの「ごあいさつ」には
「あらゆる皮膚の悩みに対応します」とあったのですが,
初診時,先生に診断名を告げたところ,
「あ,それ,治りませんから」
とおっしゃるではないですか。
は?と思わずその若い先生の顔を
まじまじと見てしまったのがいけなかったのでしょうか,
あわててパソコン画面に視線を移し,もう一度,
「治らないんですよ。今の医学では治せないんです」
それで診察は終わりました。
(初診料を払って帰ったのがいまだに悔やまれます)

「治らない」と言われてあっさりあきらめるわけにはいきません。
病名でせっせと検索したところ,
ある漢方薬で良くなったという方のブログを見つけました。
しかも,ドラッグストアで手に入るような漢方薬です。
試してみたら確かに少し良くなっていくような。
そこで市販薬よりも成分量の多い医療用漢方を処方してくれる皮膚科を探し,
薬の処方だけでなく食事指導なども受けた結果,
めでたく完治(というか寛解)となりました。

「今の医学では治せない」って何だったんでしょう。
あの先生の「今の医学」は西洋医学だけだったんですねえ。

ただ,私の場合は生き死ににかかわるものでもなければ
QOLが大きく低下するものでもなく,
見つかった治療法も保険適用の範囲内で済むものでしたが,
これが生き死ににかかわるもので,
見つかった治療法が保険適用外の高額な自由診療によるものだったとしたら…

「治療法がない」と告げられたがん患者さんが高額な自由診療に走る,
というのはよく耳にする話です。
まさかパソコン画面を見ながら,ではないでしょうが,
「治せない」と告げるときには
何かしらのフォローが必要なんじゃないかと,
そんなことを思った秋の一日でした。

(梅)
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