医情研通信 Column & Blog

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あずきこわい

2021年7月1日

去年の梅雨のこと。キッチンで小さな黒い虫をぽつぽつと見かけるようになりました。
全長2ミリ程度の虫で動作は緩慢,刺すでも咬むでもなく窓辺をウロウロしているだけなので
駆除は簡単なのですが,何度取っても翌朝にはまたぽつぽつ現れます。

気になるのでカーテンを洗ったり水回りを掃除したりしたものの効果はなく
日に日にその数は増えるようになりました。

これはどこかに発生源があるはず,と部屋中の大規模探索を行ったところ,
ついに発生源を特定。
原因はなんと「小豆」でした。
地方に移住した友人が冬に送ってくれたもので
保存バッグに入れて食品棚で保管していたのですが
その保存バッグいっぱいになるほど虫が湧いていたそうで
(私は早々に退避しており見ていないのですが)…戦慄です。

調べてみると,その名も「アズキゾウムシ」
初めて聞く名前ですが,貯蔵された小豆やインゲンに付く害虫として
かなり有名な虫なのだとか。

何らかの過程で侵入したアズキゾウムシが小豆の表面に卵を産み付けると,
ふ化した幼虫は豆の中に侵入。そこで羽化した成虫は10日間程度で
また50〜60個の卵を小豆に産み付け、その成虫がまた卵を産み…という
繰り返しによって,気付いたときには小豆の入っている袋や容器が
アズキゾウムシだらけなっていることがあるとありましたが,
まさにそのとおりでした…。

外にいた虫たちはそのビニール製の保存バッグを食い破って少しずつ出てきていたのです。
おとなしい顔をしてなんたる生命力!そして繁殖力!

その後は1匹も現れなくなったのでどうやら駆除には成功した模様です。

乾物や穀物って常温で保存できるイメージがありますが,
それらを好む虫もたくさんいるようですので,
長期保存は冷蔵庫か冷凍庫ですることをお勧めします。
特に開封済みの小麦粉製品は常温で保管するとダニが繁殖し,
それを食べることでアナフィラキシー症状を起こすことがある(パンケーキ症候群)とも
言われていますので気を付けたいところです。

と,前置きが長くなりましたが
「新薬と臨牀」7月号(10日発行)では,虫特集を掲載しております。

本特集では人に害を及ぼす虫として近年話題になることの多い
「トコジラミ」「アオバアリガタハネカクシ」「ヒアリ」「セアカゴケグモ」「マダニ」
焦点を当て,兵庫県立医科大 皮膚科学教室の夏秋 優先生より
その生態や遭遇した際の対処法についてご執筆をいただきました。

夏秋先生は衛生害虫による皮膚炎や皮膚疾患をご専門とされており,
可能な限りは自ら進んで虫に刺されて(あるいは咬まれて)みることで
実際の症状や経過を観察されているという,心から虫を愛する「虫博士」としても
非常に有名な方です。

意外と知らない虫たちの特徴や,もしもの時の診断・治療法について
写真を交えながらとても分かりやすくご解説いただきましたので,
ぜひお読みいただければと思います。

(あ)
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