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線虫の能力

2019年10月3日

技術革新が激しい昨今,AIやビッグデータ等,様々な新技術が登場しています。
そんな中,気になるニュースが。

線虫でがん検査、実用化へ 約85%特定、20年から


東京のベンチャー企業「HIROTSUバイオサイエンス」は1日,体長約1ミリの線虫に人の尿の匂いを嗅がせ,
がんの有無を発見する検査法を2020年から実用化すると発表しました。

以下は「HIROTSUバイオサイエンス」のホームページからの抜粋です。


検査の名前は『N-NOSE』。「線虫の鼻(Nematode NOSE)」を意味するそうです。

『N-NOSE』は,線虫C.elegans(シー・エレガンス)の化学走性(好きな匂いに近づき,嫌いな匂いから遠ざかる)を
指標にした,これまでにない全く新しいタイプのがん検査です。

その特長として以下の点が挙げられています。

 簡便:健康診断と同じく,わずかな尿で検査が行えます
 安価:線虫の飼育コストが安いため,検査料金を抑えることができます
 高精度:感度は約85%(2019年8月現在)
 早期発見が可能:ステージ0・1の早期がんも検知することが臨床研究において確かめられています
 苦痛がない:わずか1滴の尿で検査ができるため, 身体的負担がありません
 全身網羅的:一度の検査で全身のがんリスクを調べることができます


そして線虫が反応することが分かっているがん種は

胃,大腸,肺,乳,膵臓,肝臓,前立腺,子宮,食道,胆嚢,胆管,腎,膀胱,卵巣,口腔・咽頭

の15種類です(2019年8月現在)。


最新技術ではなくても,体長約1ミリの線虫がもたらす革新に期待が膨らみます。


(と)
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