2月末,一度寒さがぶり返したものの,3月に入って少しずつ暖かくなってきましたね。
このまま春らしくなっていくのが楽しみです。
さて,先週3月4日は,医療従事者なら多かれ少なかれ誰もが関わる,
二年に一度のビッグな発表がありました。
言わずと知れた,「平成28年度診療報酬改定」です!
(
厚生労働省「平成28年度診療報酬改定について」)
医薬品のデータ販売に携わる我々としても,この改定は重要なイベント。
各品目の薬価や,さまざまな指定,分類など,一気に情報が入れ替わりますが,
一つも間違いのないよう,時間をかけて何重にも作業を行っていきます。
今回の改定でも,評価のポイントに変化があった項目は多々ありますが,
影響のある患者さんが多く,注目されているのは,
新しく追加された「湿布薬」の扱いです。
調剤料,処方料,処方せん料,調剤技術基本料については,
『入院中の患者以外の患者に対して,
1処方につき70枚を超えて湿布薬を投薬
した場合は算定しない。
ただし,医師が疾患の特性等により必要性があると判断し,
やむを得ず70枚を超えて投薬する場合には,
その理由を処方せん及び診療報酬明細書に記載することで算定可能とする。』
そして
薬剤料については,
『入院中の患者以外の患者に対して,
1処方につき70枚を超えて湿布薬を投薬
した場合は,当該超過分に係る薬剤料は算定しない。
(以下同上)』
……と,明確に1回の処方あたりの上限枚数が示されたのです。
ということは,今後は1処方あたり,
患部が1箇所で1日1回用法なら最大70日分となりますが,
用法や貼付箇所によっては,2週間分程度までの投薬となる場合も考えられます。
とはいえ,湿布薬が必要な期間はこまめに来院して処方してもらう,
または薬局でOTC薬を購入するなどにより,
これからも湿布薬を適切に利用していくことは可能なはず。
この制限により,年間数十億円の医療費削減を見込めるともいわれており,
それだけメリットが大きいと踏んでの改定ということなのでしょうね。
ところで,医療用の湿布薬には規格があり,
多くは「7cm×10cm」「10cm×14cm」「20cm×14cm」のどれかです。
処方にあたり,今後は湿布薬のサイズの選択がより重要視されることもあるかもしれませんね。
(す)