早いもので5月も末日。
九州北部や四国ではすでに梅雨入りした模様です。
5月は新薬・報告品目の収載がありました。
タイミング次第で勝手にシリーズ化している
「この品名の由来,何?」をお届けしましょう。
(各調べられた範囲/主にインタビューフォームから)
オルケディア錠1mg/2mg
オーケストラのようにPTH,P,Ca の調和を取りながらコントロール可能にする,
経口の(Oral)の透析(Dialysis)患者への薬剤
ガラフォルドカプセル123mg
α-Gal酵素の折りたたみ(fold)構造を矯正するという本剤のメカニズムに由来している。
スージャヌ配合錠
配合成分であるイプラグリフロジンの製品名スーグラ(Suglat)と
シタグリプチンの製品名ジャヌビア(JANUVIA)から命名
トレムフィア皮下注100mgシリンジ
「triumph」 打ち勝つ,成功の喜び
病気に打ち勝ち,患者さんへ成功の喜びを届けたい意
ネイリンカプセル100mg
爪(NAIL)に薬物が入る(IN)ことからNAILINと命名した
パルモディア錠0.1mg
「選択的PPARαモジュレーター
(Selective Peroxisome Proliferator-activated receptor-α modulator:SPPARMα)」
として作用を発現することよりPARMODIAと命名
プレバイミス錠/点滴静注240mg
CMV 再活性化を予防し,移植の成功を約束することを意味する。
‘PRE’ (=prevention) + ’V’ (=Virus infection) + ‘MIS’ (=Promise)
ヘムライブラ皮下注30mg/60mg/90mg/105mg/150mg
HEMophilia+LIBRA(バランスを意味する)/LIBerty(解放)に由来する。
ヘルニコア椎間板注用1.25単位
適応疾患の腰椎椎間板ヘルニアと,椎間板の中心部(コア)すなわち髄核を融解するという作用に由来する。
ラパリムスゲル0.2%
一般名の「シロリムス(別名:ラパマイシン)」の「ラパ」と「リムス」に由来する。
なお,本化合物はイースター島(ポリネシア語名:ラパ・ヌイ)の土壌から分離された細菌の代謝産物
であり,抗生物質として見出されたことから「ラパマイシン」と名付けられている。
番外(報告品目)
ワンパル1号/2号輸液
1バッグ4栄養素製剤(Onebag)+静脈栄養(Parenteral nutrision)に由来。
皆 結構直接的?なネーミングですね
その中で,製剤としてもユニークだな,と思えるのはへルニコア。
同じくインタビューフォームによれば,
(1) 世界に先駆けて日本で初めて承認されたコンドリアーゼを有効成分とする
腰椎椎間板ヘルニア治療剤
(2) 腰椎椎間板ヘルニアの症状の原因である高位の椎間板内に単回投与する
椎間板内酵素注入療法の薬剤
(3) 椎間板髄核中におけるグリコサミノグリカンを特異的に分解することにより
椎間板内圧を低下させる新しい作用機序を有す
とのこと(「製品の治療学的・製剤学的特性」から)。
効能は「保存療法で十分な改善が得られない後縦靱帯下脱出型の腰椎椎間板ヘルニア」
なのでギックリ腰などでは使用できませんが,症状に悩まされる人は多いようです。
その人たちにとって,まさに待望の新薬といえます。
(わ)