医情研通信 Column & Blog

社員's topics

日本海側のサバは当たらない?!

2023年6月27日

過去の「社員's topics」を見ていてふと思い出したのですが
アニサキスがよく見つかることで有名な魚といえばやはりサバではないでしょうか。

福岡出身の家人は、よく生のサバを食べていたそうで,
(サバの刺身を胡麻だれで和えた「ごまさば」という料理があるそうです)
生サバへの憧れがいまだにすごいのですが、関東出身の私には全然ピンときません。

そういえば昔、山口県下関市出身で実家が魚の仲卸をされていたという知人に
そんな話をしたところ「日本海側のサバは生で食べても絶対大丈夫!!」と豪語していて,
またまた~と思ったことを思い出しました。

ただ調べてみるとまんざら嘘でもないようで
太平洋側のサバと日本海側のサバとでは寄生しているアニサキスの種類が違うため,
アニサキス症を引き起こす確率が違う(太平洋側で高い)ことが分かっているそうです。

東京都健康安全研究センターが築地市場に集まる全国のサバを調査したところ,
太平洋側のサバに寄生しているアニサキスの8割以上が
「アニサキス・シンプレックス(A. simplex sensu stricto)」(S型)で,

日本海側のサバに寄生しているアニサキスの8割以上が
「アニサキス・ピグレフィー(A. pegreffii)」(P型)
であったということでした。

アニサキスは主に魚の内臓に寄生していますが,内臓から身のほうに移行する確率が
P型で約0.1%なのに対し,S型では約11%と100倍以上の違いがあるとのことで
サバの身を食べる我々にとって「太平洋側のサバは当たりやすい」ということに繋がっていたようです。
逆に、日本海側のサバにもアニサキスがいないわけではなく,
身のほうにあまり移行しないタイプだったため食中毒が少なかったということですね。

ただ、日本海側のサバなら絶対に大丈夫ということではなく,
P型や他の種類のアニサキスでも、もちろん当たることはあるそうですし
最近では日本海側の魚からもS型が発見されるようになっているそうなので注意が必要です。

何にせよやはり「鮮度」と「目視」、「冷凍/加熱」の心掛けが大切のようですが
ちょっと面白かったので紹介してみました。

以下のサイトにも色々な情報がありましたので
もっと詳しく知りたい方はご覧になってみてください。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221205/k10013912131000.html

当たらないように気を付けつつ、これからもお魚を美味しく食べたいものですね。

(あ)
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