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Q:覚えておきたい医薬品 ⑥【不整脈用薬】編

2023年11月2日

A:
 帰って参りました“覚えておきたい医薬品”シリーズ。第6回は「不整脈用薬」です。

 と、ここで不整脈用薬の作用機序あたりを簡単に説明するところですが、相手が心臓だ
けに“簡単に”は到底無理。そこは専門書や解説書に任せます。今回は、不整脈に関連す
る用語の説明を少々。

 不整脈を大きく分けると以下の3つです。皆さんも聞いたことがあるハズ。
期外収縮・・・最も頻度の多い不整脈。正常な拍動の間に、時々不規則な拍動が現れる。
        脈拍が飛ぶ。
頻脈性・・・拍動が異常に速くなるタイプ。拍動が1分間に100回以上になる不整脈。
        「頻拍」と「細動」の2つに分けられる。心房細動、心室細動は不整脈の中で
        危険な種類。
徐脈性・・・拍動が異常に遅くなったり、間隔が長くなったりするタイプ。1分間の拍動が
        50回未満。

 これを覚えておくだけでかなり「不整脈用薬ツウ」。というわけで、今回は内用に絞って
選んだ医薬品の「効能・効果」も記載しておきます。

 まずは「リスモダン」(一般名:ジソピラミド)。不整脈用薬の代表的薬剤。メーカーはクリニジェン
です。ちなみに内服薬の場合、1回100mg、1日3回。適応は「期外収縮,発作性上室性頻脈,心房細動」
(他の抗不整脈薬が使用できないか、又は無効の場合)です。
 徐放性のリスモダンR(一般名:リン酸ジソピラミド)は同じく条件付きで「頻脈性不整脈」に適応が
あり、1回150mg、1日2回。

 次にサノフィの医薬品「アンカロン」(一般名:アミオダロン塩酸塩)。こちらの適応は
「心室細動,心室性頻拍,心不全(低心機能)又は肥大型心筋症に伴う心房細動」(生命に危険がある
再発性不整脈で他の抗不整脈薬が無効又は使用できない場合)。用法は導入期が1日400mg、1~2回に
分けて1~2週間。維持期は1日200mg(分1~2)。

 その次は「サンリズム」(一般名:ピルシカイニド塩酸塩水和物)。第一三共の医薬品です。
 適応は「頻脈性不整脈」(他の抗不整脈薬が使用できないか、又は無効の場合)。
 1日150mg、3回分服。重症・効果不十分時は1日225mgまで増量可能です。

 さらにお次は「メキシチール」(一般名:メキシレチン塩酸塩)(太陽ファルマ)。適応は
「心室性頻脈性不整脈」です。1日300mg、3回分服から開始。効果不十分時は1日450mgまで増量。
 その他「糖尿病性神経障害に伴う自覚症状(自発痛、しびれ感)の改善」にも適応があります。

 最後、5つ目は「ワソラン」(一般名:ベラパミル塩酸塩)。エーザイの製品です。
 適応は「頻脈性不整脈(心房細動・粗動,発作性上室性頻拍)。狭心症,急性期を除く心筋梗塞。
その他の虚血性心疾患」。不整脈に使用する場合の用法は成人1回40~80mgを1日3回です。


・・・・
 という感じで、5つの製品を並べましたが、当然、他にも覚えるべき不整脈用薬はたく
さんあります。選択するにあたっての主旨は、覚えておきたい医薬品 ①をご参照ください。
 言うまでもなく、なんとな~く、その時の気分・・・で選んだわけでは決してありま
せん。
 それなりに、種々検討の末、選んでおります。わたしなりに。
 なんとな~く、ではなく。はい。ま、真剣に・・・。
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