医情研通信 Column & Blog

社員's topics

芸術の秋ということで

2019年10月24日

最近、ピアノを始めました。
子供の頃に習っていたものの,遠のいてからすっかり年月が経ち
たまに楽器を開けることがあっても指は動かない,開かないで
次のやる気にも繋がらないという悪循環を繰り返していたのですが
あるドキュメント番組で高齢の男性が小粋にピアノを奏でる姿を観て急にやる気になり
せっかくなので弾いたことのない曲に挑戦することに。

楽器は毎日の継続した練習が重要になってくるそうなので,
練習時間は10分間に限り,毎日練習することを心がけました。

最初のうちは10分程度の練習ではまったく進まなかったのですが
我慢して1週間続けた頃からあら不思議。前日にはまったく弾けなかった部分が
突然スラスラと弾けるようになっています。
楽器を演奏したことがある人なら感じたことがあるかもしれない,この
「ある日,なんだかできるようになっている」という現象は、
子供の頃から不思議に思っていたことでしたが、
大人の自分にもちゃんと起きたことに驚きと感動をもたらしました。

調べてみるとこれは楽器に限らず、
たとえばはじめての自転車練習や野球の打撃練習など,
反復的な練習によって技術を習得する際にしばしばみられる
「レミニセンス現象」というものだそうです。

メカニズムなどはまだ解明されていないようですが
反復練習によって積み重なった体験や学習の記憶が睡眠中に消化され
整理された結果,これまでできなかったことが突然できるようになると言われています。

大切なのは,練習をある程度行った後はしっかりと休む(寝る)時間を作って
インターバルをあけることだそう。何度繰り返し練習をしてもできない時は
まだその記憶が整理されていない状態なので(疲れてもきますし)
その日のうちに達成とはいかないことが多いようです。
が,ちゃんと脳は復習をしてくれているのですね。
かといって,ちょっとの練習ですぐに寝てしまっては脳に正しい情報が行きわたらないので、
練習の積み重ねは必須のようです。

最近は「ニンジン」のことを「キュウリ」と言い間違えてしまうようなことが続いており
脳の衰えを痛感していたので,自分の脳がまだ活性し得ることを実感できたのは思わぬ収穫でした。
音楽は脳活にも一役買いそうです。

何はともあれ,できなかったことができるようになるという体験は
久しぶりに味わった新鮮なもので,一気に楽しくなることがわかりました。
あらたな趣味をお探しの方は,楽器や歌もお勧めですよ。
私もしばらく続けてみたいと思います。
(あ)
コラム&ブログ Column 資料室 Archive 制作書籍 Books

Page Top