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医療・医薬業界
どーせなら、覚えちゃお!

コラム<どーせなら、覚えちゃお! Vol.55>
Q:医療経済実態調査は何のためにやるの?

2016年8月29日

A:
 下世話な、わかりやすい話でいえば、お医者さんの所得などがわかってしまう調査。
それが「医療経済実態調査」です。皆さんも新聞等で見たことがあるかと思います。
 医療経済実態調査(医療機関等調査)は、病院、一般診療所、歯科診療所、保険薬局
の経営実態等を明らかにし、社会保険診療報酬改定の基礎資料にすることを目的として、
中央社会保険医療協議会が2年に1回、実施しています。調査結果により医療機関等の
経営状況を把握して、診療報酬改定を行う必要があるかどうか、改定を行う場合に診療
所と病院の診療報酬点数の配分をどうするかなどを検討
します。

<さらに詳しく>
 医療経済実態調査は、1967年9月10日の中医協建議で、「医療経済実態調査は3年に
1回実施すべき」との方針を打ち出され、同年11月分の経営実態について第1回の調査
が実施されました。第2回調査は3年後の1970年11月に行われましたが、その後は第3
回調査が1976年5月、第4回調査1981年10月、第5回調査1984年11月、第6回調査
1987年11月というように必ずしも3年に1回ではありませんでした。1988年11月の中
医協で従来の3年に1回を2年に1回実施することを決め、第7回調査の1989年6月分
から2年に1回実施されています。

 医療経済実態調査で日本医師会が神経をとがらせるのは結果発表。診療所の収入を発
表する場合のマスコミ報道は必ずと言っていいほど、「診療所の医師の収入はサラリー
マンの5倍」などというような表現を繰り返すため、日本医師会は1991年3月に医療経
済実態調査非協力を打ち出しました。これに対して支払側委員は、「調査が診療報酬改
定に密接に関連している」として、非協力であれば「改定を行わないという議論になる」
と反論。結局、厚生労働省が記者発表する際に、「診療所医師個人の収入ではない」こ
とを強く説明するよう注文をつけて、最終的に協力することになりました。
 
 また、調査方法についてはこれまで1か月分を対象にしていましたが、2011年の調査
では6月単月分のほかに、2009年度と10年度の2年分の通年データを収集。2013年調
査からは1年分を対象に実施しています。医療経済実態調査については毎回のように回
収率が問題になります。

 なお、医療経済実態調査では、医療保険者の決算状況や積立金、保養所等に関する調
査も実施しますが、こちらの方はほとんど報道されません。

 ちなみに、先ほど紹介した「診療所の医師の収入はサラリーマンの5倍」というのは、
テキトーに書いたわけではなく、医療経済実態調査による数値です。
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