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製剤工夫が熱い!

2019年7月9日

既に7月に入りましたが,6月収載品の話題を。
今年の同種同効品(後発医薬品)の収載は6/14で,
官報告示266品目,そのうち診療報酬上の後発品は253品目でした。

収載品目数の多い後発品は,シロドシン(先発名:ユリーフ)が
各規格合計46品目,ブロナンセリン(先発名:ロナセン)が各剤形・
規格合計32品目でした。

そんな中,ちょっと目を引いたのが,今収載で後発初登場となった
モメタゾンフランカルボン酸エステル(点鼻液/先発名:ナゾネックス)。
収載は4品目で,2社系統2品目(噴霧回数別2種)ずつです。

 キョーリンリメディオ=杏林
  モメタゾン点鼻液50μg「杏林」56噴霧用(5mg10g1瓶)/同112噴霧用(9mg18g1瓶)
 東興=ファイザー
  モメタゾン点鼻液50μg「MYL」56噴霧用(3.5mg7g1瓶)/同112噴霧用(6.5mg13g1瓶)

ここで一瞬「?」となったのは,噴霧回数は同じなのに規格単位
が異なる点。「杏林」の方は先発ナゾネックスのAGで,先発と同じ
規格単位なのはわかりますが,「MYL」はなぜに異なる規格?

インタビューフォームによると,特殊なゲル基剤を使用したり,
容器を工夫することにより,1回の噴霧量が安定しているとのこと。
推測も含みますが,噴霧剤に見られる薬液の残り等も少なく抑えられて
いそうです。また,粘性をあげたことにより均一性が増し,使用時の
振盪も不要であること,容器工夫で外気に触れないため,少ない防腐剤で
済むといった利点があるようです。

近年の後発品では,何かとAGに注目が集まります。もちろんAGの安心感
(先発品の実績含む)は大きな利点,一方で,このような製剤工夫で
他品目の利点が増えて(見えて)いくことは,選択する側にとっては,
幅が広がりよいことのように思えます。

(わ)

AGも,そうでないジェネリックも載ってます。
ジェネリック医薬品リスト(リンク・画像は平成30年8月版。次版は鋭意制作中です!)
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