今月18日に,COPDについてのメディアセミナーに参加してきました。
(主催:アストラゼネカ株式会社)
ご存知の方も多いとは思いますが,慢性閉塞性肺疾患(COPD)は
たばこなどの有害物質による刺激で気管支に炎症が起こり,
また肺胞が破壊されることによって,息切れや慢性的な咳や痰などの症状が現れる
進行性の疾患です。
イメージとしては潰れたストローで空気を吸っているような状態で,
息を吸ったり吐いたりがしにくくなるのだそうです。
COPDの主な原因はたばこの煙によるもので,患者さんの約9割が喫煙者です。
一般的には,若い頃に喫煙を開始した人や喫煙年数が長い人,
1日に吸うたばこの本数が多い人ほど高リスクとされていますが、
受動喫煙だけでCOPDを発症する場合もあるといいます。
40歳代以上から発症がみられるようになり,年齢とともに発症率は上昇していきます。
さて,日本における推定患者数は約530万人とされていますが、
今回の講演では実際にCOPDと診断され治療を受けている患者数さんは
26万人程度にとどまっており,ほとんどの人がCOPDを患っていることに気付いていない
という現状が紹介されました。
すぐに痰が出たり,息切れを起こしたりしてしまう症状を「歳をとったからだろう」と
自身で納得してしまうため,受診にいたらないということが理由の1つということですが,
他の慢性疾患できちんと通院しているにもかかわらず,主治医の先生に症状を訴え出ないことで
見過ごされているといった現状もあるそうです。
アストラゼネカ社では今後,一般の医療機関でも簡単にCOPDを診断できるような質問票などを
作成・配布していくということでした。
COPDは,進行すると少しの動作でも息切れをするようになり日常生活がままならなくなります。
また増悪を繰り返すことで呼吸不全や心不全などを引き起こす命に関わる病気ですが
(2017年の国内のCOPDによる死亡者数は18,523人で死因順位は8位)
新たな治療薬が登場しており,早い段階で禁煙と適切な治療や管理を行えば
症状を改善し病気の進行を遅らせることができるそうですので
心当たりのある方は,かかりつけの病院などで積極的に相談していただきたいと思います。
(あ)