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セイヨウオトギリソウにはお気をつけて

2019年6月20日

日々業務で,ほぼほぼ毎日最新の添付文書をチェックしているのですが,
[使用上の注意]のところでちょくちょく追加になる
セイヨウオトギリソウ(含有食品)にいつも目が留まります。

セイヨウオトギリソウ(St.John's Wort:セント・ジョーンズ・ワート,以下「SJW」)
黄色い花を咲かせる根茎性の多年草で,古代ギリシアより医療的利用され,
欧州では抑うつ症状に対して広く処方されています。
しかし一方で,米国FDAでは,抑うつに対する有効性を確認できていないことから,
市販薬としても処方薬としても抑うつに対する使用を認めていないんだとか。

日本ではうつ症状や不眠症,またイライラやストレスによる不安を抑え精神を安定させる等の
効果で,健康食品やサプリメントとして市販されていますね。
気になるのが医薬品との相互作用です。

最近になって薬物代謝酵素のチトクロームP450,特にサブタイプであるCYP3A4及びCYP1A2が
誘導され,併用により医薬品の効果が減弱することがわかってきました。

併用禁忌とされるもので,今のところ一番多いのはHIV等の抗ウイルス剤ですね。
製品名(成分名)の50音順に並べてみました(医薬情報研究所調べ,2019年6月12日現在)。

■単剤
エジュラント錠25mg(リルピビリン塩酸塩)
エレルサ錠50mg(エルバスビル)
グラジナ錠50mg(グラゾプレビル水和物)
スンベプラカプセル100mg(アスナプレビル)
ソバルディ錠400mg(ソホスブビル)
ダクルインザ錠60mg(ダクラタスビル塩酸塩)
ベムリディ錠25mg(テノホビル アラフェナミドフマル酸塩)
レイアタッツカプセル150mg・200mg(アタザナビル硫酸塩)

■配合剤
エプクルーサ配合錠(ソホスブビル・ベルパタスビル)
オデフシィ配合錠(リルピビリン塩酸塩・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミドフマル酸塩)
ゲンボイヤ配合錠(エルビテグラビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミドフマル酸塩)
コムプレラ配合錠(リルピビリン塩酸塩・エムトリシタビン・テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩)
ジメンシー配合錠(ダクラタスビル塩酸塩・アスナプレビル・ベクラブビル塩酸塩)
ジャルカ配合錠(ドルテグラビルナトリウム・リルピビリン塩酸塩)
スタリビルド配合錠(エルビテグラビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩)
ハーボニー配合錠(レジパスビル アセトン付加物・ソホスブビル)
ビクタルビ配合錠(ビクテグラビルナトリウム・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミドフマル酸塩)
プレジコビックス配合錠(ダルナビル エタノール付加物・コビシスタット)


その他では,光線力学診断用剤のアラグリオ顆粒剤分包1.5g(アミノレブリン酸塩酸塩),
アラベル内用剤1.5g(アミノレブリン酸塩酸塩),肺動脈性肺高血圧症の治療薬オプスミット錠
10mg(マシテンタン),抗血小板剤のブリリンタ錠60mg・90mg(チカグレロル),抗マラリア剤
のリアメット配合錠(アルテメテル・ルメファントリン)。

免疫抑制剤のシクロスポリン,タクロリムス,強心剤のジゴキシンを始め,
併用注意とされる医薬品も多々あります。
SJW自体の副作用は現れる可能性は低く,症状も軽度のようですが(胃腸の不調,口の渇き,
めまい,日光過敏症等),持病があり,何か薬を飲んでいる場合は注意が必要ですね。

あくまでも個人的な見解ですが,
SJWと医薬品の相互作用については,今後も新しい報告がまだまだあがってきそうな気が
しています。

SJWの効果を十分に実感されている方も多いと思います。

健康食品・サプリメントですから,いつでも自由に買えます。

が,しかし,
ウーーン,むやみやたらに手は出して欲しくないなぁ・・個人的思いで。


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