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「仕事を生きている証としたい」というがん患者さんにできること

2018年9月6日

8月11,12日に国立がん研究センターで開催された
第5回ジャパンキャンサーフォーラム
(主催:認定NPO法人キャンサーネットジャパン)に参加しました。

「がん患者が本人の意思に基づき,がん治療に臨むことができるよう,
患者擁護の立場から,科学的根拠に基づくあらゆる情報発信を行うこと」

をミッションとする団体が主催するだけあって,
第一線の医師によるさまざまながんの治療に関する講演や,
治療中の食事や外見の変化に対する工夫を学べるブースなどが設けられ,
大変充実したものでした。

そんななかで目を引いたのが,
「がんサバイバーの声を聴こう!」という2時間にわたるセッションです。
11人のがんを経験された方,現在も治療中の方が順に登壇され,
スピーチをするというもので,登壇者が20~40歳代の方だったためか,
多くの困難を伴う「治療と仕事の両立」について話された方が多かったのが印象的でした。
特に,「働くことを,今を生きている証としたい」とおっしゃった男性の話は,
胸を打つものがありました。

同じ日に参加した高橋 都先生(国立がん研究センター がん対策情報センター)のご講演によれば,
今や日本では新規のがん患者が年間で100万人に達し,
その3分の1が就労世代
とのこと。
また,その4分の1から3分の1が診断をきっかけに離職してしまうとのことでした。

その背景には,“がん=死に直結する病気”というイメージが強く,
今では多くのがんが通院しながら治療する病気となっているにもかかわらず,
診断後に自ら退職を申し出てしまったり,あるいは会社から退職を勧められたり,
というケースがいまだに多いということがあるようです。
退職勧告までいかなくとも“行き過ぎた配慮”による閑職への配置換えということも多く,
先のがん患者さんによるスピーチでもそのような経験を語る方がいらっしゃいました。

治療を続けながらの就業には,
がん=死というイメージを変えていくことのほかに,
会社の“適切な”バックアップが必要となります。
高橋先生によれば,企業を対象としたがん患者の就労支援に関する講演会などでは,
小さな会社はまず「うちではムリ」という反応を示すそうですが,
社長自らが,あるいはその家族ががんになったのをきっかけに
ガラリと変わる会社が多いとのことでした。
その気になるか,ならないか,ということですね。

先のスピーチでは,自身の病気や治療についてオープンにし,
周囲の理解が得られたことで仕事がしやすくなったと話す方が複数いらっしゃいました。
いかに伝えるかということに加えて,
伝えられたほうがいかに“自分のこと”として考えられるかということが,
がん治療と仕事の両立においては大切なのではないかと思いました。

(梅)
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