医情研通信 Column & Blog

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ニセモノの笑顔

2018年9月4日

いつも笑顔で素敵な人と,
いつもニヤけて気持ち悪い人,嘘っぽい人。

その印象,気のせいではないようです。

仲の良い友達に会って自然に出る笑顔と,
カメラを向けられた時に作られる笑顔は,
それぞれ扱う脳の領域が違うからです。

仲の良い友達に会うと,

その視覚情報が大脳辺縁系(古い脳)に伝わり,
続いて大脳基底核(高次脳と低次脳の間にある脳)に中継されて,
自然な笑顔をつくるために必要な,
顔の筋肉の活動がまとめられます。

この回路が活性化されると,
自然な笑顔が作り出されます。
そこに皮質(高次脳)は関与していません。

なお,この回路の流れは作動するとすぐに終了するため,
笑顔を持続させることはできません。

一方,「はい,チーズ!」と言われたときは,

聴覚や言語中枢など高次な脳に理解されて,
随意運動(自分の意志に基づく運動)により,
笑顔を作るのに必要な筋肉を動かそうとします。

この笑顔というのがくせ者で,
多くの筋肉の微妙で複雑な協調によってつくられる芸当なため,
随意運動でうまいこと作れるものではないらしい。

だから,笑顔が嘘っぽくなる,と。
いや,むしろ笑顔ではない,

笑顔に似せた顔面筋の運動ですね。

となると,スマホを見ながらニタニタしている人は,
気持ち悪いですが,
あれは本物の笑顔ということになりますね。
ただシチュエーションが気持ち悪く見せているだけで。

これ,鏡の前でにっこりしても,
”笑顔に似せた顔面筋の運動” になります。
今度時間があるとき,自分のキモい笑顔を見てみませんか。

(さ)
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