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震災でようやく気がついたこと

2018年3月15日

東日本大震災から7年が経ちました。

メディアの報道を見る限り,津波で流された町の復興は,
緩やかなスピードながらも着々と進んでいるように感じられます。
東京は,駅の構内も,商業施設も,
震災前,あるいはそれ以上かと思われるような明るさで照らされ,
あちこちで「東京2020」という文字が目につきますが,
いまも7万人を超える方が避難生活を送っているということは,
忘れてはいけないことだと思います。

被災地の復興が進んでいる一方で,「心の復興」が気になります。

仮設住宅から鉄筋の災害公営住宅に移ったものの,
なんの物音も話し声も聞こえないなか,寂しさを訴えるお年寄りが多いということ。
子供を亡くし,6年あまりが過ぎてようやく「大丈夫」と笑顔を見せたものの,
ひと月も経たないうちに深夜泣きながら電話をかけてくる母親がいるということ。


被災地で傾聴活動を続けている方からそんなお話を伺うと,
環境が整っても心は整うわけではないということ,
心は常に前を向いて進むわけではないということを感じます。

多くのものを奪った震災はその一方で,多くの気づきをもたらしました。

10日発売の『新薬と臨牀』3月号では,石巻赤十字病院・副院長鈴木 聡先生に,
“震災で気がついたこと”をテーマにエッセイをご執筆いただきました。

壊滅的な被害を受けた石巻にあって,石巻赤十字病院は津波による被害は免れました。
ただ,多くの患者さんが自宅や仕事を失いました。
外来の予約をしていたにもかかわらず,
二度と病院に現れることのなかった患者さんも大勢いました。

そのようななかふと思い出されたという,
若いころに医局の先輩が酔って繰り返しつぶやいた
「治療だけでは人は治らない」という言葉。

震災後,鈴木先生は診療のかたわら,
がん患者さんを支えるさまざまな活動をされています。

エッセイのタイトルは,
『ようやく気がついたこと「いのち」と「くらし」』

ご一読いただけましたら幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。

(梅)
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