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デジタルメディスン

2017年11月28日

既にニュースをご覧になった方もいらっしゃるかと思いますが,
先日米国FDAで承認された

エビリファイ マイサイト(Abilify MyCite®)

という製品が気になりましたので,調べてみました。


まずは大塚製薬のプレスリリースより製品の概要です。

●「エビリファイ マイサイト」は,医薬品と医療機器を一体化して開発された
 世界初のコンビネーション製品

●大塚製薬創製の抗精神病薬 エビリファイの錠剤にプロテウス社が開発した
 極小センサーを組み込んだ製剤と,パッチ型のシグナル検出器および専用アプリを
 組み合わせる
ことで,患者さんの服薬状況を記録し,スマートフォンなどの
 モバイル端末を通じて医療従事者や介護者との情報共有が可能

●このシステムにより,服薬や活動の状況を把握できることで,患者さんと
 介護者および医療者のコミュニケーションを促進し,それぞれの患者さんに
 より適した治療の選択に寄与


更にその仕組みや実際の使い方も紹介されています。

錠剤に組み込まれた極小センサーは,胃液に接するとシグナルを発し,
患者さんの身体に貼り付けたシグナル検出器「マイサイト パッチ」が服薬の日時を記録します。
その後センサーは体内で消化・吸収されることなく,安全に体外に排泄されます。
マイサイト パッチ」は患者さんの活動量などのデータも記録し,
専用の「マイサイト アプリ」にデータを送信します。
患者さんは「マイサイト アプリ」で服薬状況や活動量を確認することができ,
気分や睡眠の状況を入力することも可能です。
また,患者さんが同意をすれば,家族,医療従事者,介護者もデータを確認することができます。


センサーが組み込まれた錠剤」と聞くと,SF映画に出てきそうな製品ですが,
実際に承認される段階になっていることに驚きです。

精神病の薬物治療では,患者さんに薬をきちんと飲み続けてもらうことが重要で,
エビリファイ マイサイト」は患者さんの助けになると期待されます。


それにしても,薬にもデジタル化の波が訪れていることに技術の進歩を感じます。
近年,モノのインターネット(Internet of Things, IoT)という表現が用いられ,
パソコンやスマホなどの情報通信機器に限らず,すべての「モノ」がインターネットに
つながることで生活やビジネスが変化していくとされています。

今回の「エビリファイ マイサイト」のように,「薬」も間接的にインターネットに
つながることで「薬のインターネット(Internet of Medicine)」と紹介している記事もあります。

https://media.fashion-balloon.com/articles/first-digital-medicine-AbilifyMyCite



今後,服薬状況の記録や共有に限らず,患者さんにとって有用な機能が
盛り込まれた「薬」が登場してくる期待が高まります。


(と)
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