医情研通信 Column & Blog

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ヒキガエル

2017年8月3日

8月に入りました。
海水浴,花火大会,お祭り,そして虫捕りが真っ盛りの季節ですね。

虫捕りというと,今も昔も一番人気は,やはりカブトムシやクワガタムシ捕りでしょうか。
我が家の近所の公園にも,カブトムシ,クワガタムシがいる雑木林があるので,
動きが活発になる夜に,息子たちと捕りに行きます。

住宅街にある公園とは言え,雑木林の中は足元が覚束ないほど真っ暗です。
そんな雑木林の中を進んでいくと,足元でガサガサと奇妙な音が…。
地面に懐中電灯を向けると,これまた夜行性のヒキガエルがあちらこちらに。
そう,この雑木林はヒキガエルの生息地でもあるんです。
人間に踏まれないようにと一生懸命に逃げているようですが,
動きはノソノソとゆっくりです(ヒキガエルは跳ばずに歩きます)。

ヒキガエルは,耳の後ろにある耳下腺や,体表面のイボから毒液を出す“毒ガエル”です。
ちょっかいを出したりしなければ,特に危険はないですが,
うっかり触ってしまったら,よく手を洗いましょう。

ちなみにヒキガエルの毒液は,強心作用胆汁分泌促進などの作用を有する
蟾酥(センソ)という生薬のもとになるそうです。
正確にはアジアヒキガエルヘリグロヒキガエルの分泌物から取れるものということなので,
近所の公園にいたヒキガエルの分泌物にこれらの作用があるのかは不明ですが,
その分泌物を最初に口にした人をつくづく尊敬してしまいます
(ムツゴロウさんこと,畑正憲氏はヒキガエルの毒液を口にしたことがあるんだとか)。

つい先日,関西地方の小学5年生の男の子がヘビ(ヤマカガシ)に噛まれて
一時意識不明の重体になってしまったという,ショッキングなニュースがありました。
このニュースで,「ヤマカガシは毒ヘビ」であることを知った方もいらっしゃるのではないでしょうか?
実は,ヤマカガシの「毒」はヒキガエルと深い関係があるんです。

ヤマカガシは,田んぼや河川敷など主に水辺に生息して,カエルや小型魚類を捕食します。
そして,ヒキガエルも好んで捕食するそうですが,
捕食の際にヒキガエルの「毒」を体内に取り込み,自身の「毒」として貯蔵しています
つまり,ヤマカガシの「毒」はヒキガエルから得たものなので,
ヒキガエルが生息していない(ヒキガエルを捕食していない)地域のヤマカガシは「毒」を持っていないそうです。

さて,カブトムシ捕りの話に戻ります。
最近になってようやく気付いたことなのですが,近所の公園でカブトムシを探す場合は,
暗い雑木林を歩き回るより,整備されているランニングコースの外灯の周りを探したほうが
採集率が高いようです。

とは言え,懐中電灯を照らし,樹液に群がっているカナブンやスズメバチの中から,
カブトムシを探すドキドキ感はたまりません。
この夏,このドキドキ感を1回でも多く,息子たちとともに感じたいと思います。

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