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医療・医薬業界
どーせなら、覚えちゃお!

コラム<どーせなら、覚えちゃお! Vol.99>
Q:政府予算を決める仕組みは?

2016年12月16日

A:
 毎年、この時期になると政府予算の記事が目に付くようになります。政府予算を固める
上で、重要な役割を果たすのが内閣府の経済財政諮問会議(諮問会議)と財務省の財政制
度等審議会(財政審)です。政府予算が決まるまでの流れは通常、7月下旬の経済財政諮
問会議の審議結果を受け、臨時閣議で、厚生労働省など各省が財務省に提出する次年度予
算の概算要求に当たっての基本方針(概算要求基準)を決定します。この基準をもとに各
省は8月末までに財務省に次年度の概算予算を提出します。その後、12月20日前後に財務
省が各省に次年度予算案を内示し、重要案件があれば閣僚折衝を経て、12月22日前後の閣
議で政府案が決定します。政府予算案は、1月に召集される通常国会冒頭に提出され、衆
・参両院の議決をもって決定します。

<さらにくわしく>
 政府の予算編成作業は、通常国会での予算成立後、次年度の予算に向けて動き出します。
政府予算案が決定するまでの流れは、5~6月に財政審が「経済・財政再生計画」を財務
大臣に建議。その後、経済財政諮問会議が次年度予算案の大枠を決め、これらをもとに閣
議で概算要求基準を決定します。概算要求基準に基づき各省が次年度予算案の概算を提出
し、財務省と各省庁の予算担当官らによる水面下の調整に入ります。
 政府予算を編成する上で、次年度の税収など歳入(収入)面と、社会保障費などの歳出
(支出)面の規模を予測しますが、歳入は景気などの経済動向、歳出は国庫負担を投入し
ている医療保険など社会保障費の動向が大きく影響します。このため、一般歳出の約5割
を占める社会保障費の取扱いが焦点になり、財政審議会や経済財政諮問会議では社会保障
制度改革に注文をつける傾向が強まっています。
 歳入で最も多いのは、所得税や法人税、消費税などの租税で、全体の約5割弱を占めま
す。税制については、自民党の税制調査会が景気の動向などから次年度の税収規模を見込
み、12月中旬に税制改正の内容を示した「税制改正大綱」をまとめ、税収規模が固まりま
す。このほか、国の借金とも言える公債(債券:いわゆる赤字国債)が、歳入の約5割弱
を占めます。公債発行の規模は、税収見込みとあわせて、社会保障費などの歳出を予測し
た上で閣議決定します。

 厚労省など各省が8月末に提出する概算要求以降、財務省と各省の水面下の折衝が行わ
れ、その結果に基づいて財務省が12月20日頃に各省の予算案を内示します。事務官レベル
の折衝で合意できなかった重要課題は大臣折衝に委ねられ、その合意を経て、12月22日前
後の閣議で政府予算案が正式決定します。政府予算案が12月中に決まらない場合は、「越
年予算(編成)」と呼びます。
 政府予算案と税制改正法案は1月に召集される通常国会冒頭に提出され、衆・参両院の
予算委員会・本会議での議決により、3月中に政府予算、税制改正が決定し、4月から政
府予算が施行されます。予算成立が4月以降にずれ込んだ場合は、期間にもよりますが、
「暫定予算」を編成することになります。
 衆院と参院で与野党の議席数が異なる(捻れ現象)場合は、衆院で議決されても、参院
で否決される場合があります。このような場合には、憲法60条の規定(衆院の優位性)に
より、参院に予算案が送付されてから30日を経過すれば、衆院の議決によって政府予算が
成立します。

 ちなみに、政府予算の歳出で大きな割合を占める社会保障関係の制度改革については、
財務省の予算内示までに法律改正案を決定し、政府予算に反映されます。予算に関連した
法律改正案は「予算関連法案」として通常国会に提出します。予算に関連しない法案は「
非関連法案」として、「予算関連法案」の後に審議されます。政府予算が決定しても「予
算関連法案」が成立しなければ予算執行できず、この場合、法改正の施行は4月以降にな
るので、各省は改正法の成立時期を見込んで施行日を決めます。ほぼ2年に1回の診療報
酬改定や薬価改定は、通常であれば予算案が決まった段階で4月1日実施が決まります。
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