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医療・医薬業界
どーせなら、覚えちゃお!

コラム<どーせなら、覚えちゃお! Vol.56>
Q:混合診療ってどういうこと?

2016年8月31日

A:
 公的な医療保険制度では、保険から支払われる範囲(保険給付の対象)が決められて
います。健康保険法では給付の範囲として、①診察②薬剤・治療材料の支給③処置・手
術その他の治療④在宅療養での管理、その療養のための世話、その他の看護⑤病院・診
療所への入院、その療養のための世話、その他の看護-と規定され、保険対象の診療行
為は診療報酬点数表、医薬品・医療材料は薬価基準等で定めています。医療保険制度で
認められていない医療技術、医薬品などを使用すると、本来保険給付の対象となる診療
行為なども給付の対象外となり自由診療(全額自己負担)扱いとなります。厚生労働省
は保険制度による費用負担と、保険外診療(自由診療)部分の自己負担の併用を「混合
診療」といって禁止しています。
「混合診療」とは、保険診療と保険外診療の併用では
なく、
保険診療の費用負担と保険外の負担を混合させることです。

<さらに詳しく>
 例えば、がん治療などに関して新技術が保険適用になっていない場合、その医療技術
を受けるために入院すると、本来なら保険給付の対象となる入院費など、全ての診療行
為が自由診療扱いになり、患者の負担が大きくなってしまいます。
 このため1984年の健康保険法の改正で、厚生大臣が認めた高度な医療技術が使わ
れた場合については、本来の保険診療部分は給付対象とし、高度医療技術の部分のみ自
己負担とする特定療養費制度が創設され、患者負担の軽減を図りました。
 その後、2006年の健保法改正で特定療養費制度を廃止して、新たに保険外併用療
養費制度を創設
し、①厚生労働大臣が承認した高度な医療技術や適応外の医薬品、薬事
法承認後で保険収載前の医薬品などで治療を受けた場合②特別な病室など厚生労働大
臣が認めたもの-に限って、保険給付費部分を療養費という形で支給する制度に改めま
した。①は「評価療養」②は「選定療養」と呼びます。

 「評価療養」については将来、中医協の検討しだいで保険給付の対象になることもあ
りますが、患者の選択による特別な病室など「選定療養」の場合は保険給付を前提とし
ていません。
 
 参考までに・・・。日本医師会は、保険外併用療養費制度の拡大に反対しており、安
全性や有効性が確立され、普遍化させるべきものは保険給付の対象にすべきと主張して
いますが、厚生労働省や保険者団体などは保険給付対象の拡大につながり医療費の増加
要因になるため消極的な姿勢をとっているのが実情です。
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