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ゾコーバ緊急承認

2022年11月24日

国産初の新型コロナ治療薬「ゾコーバ錠125mg」(一般名:エンシトレルビル
フマル酸)が承認されました。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬「ゾコーバ錠125mg」の
緊急承認制度に基づく製造販売承認取得について(プレスリリース)


同剤は,北海道大学と塩野義製薬の共同研究から創製された3CLプロテアーゼ
阻害薬で,新たに創設された緊急承認制度の最初の医薬品となりました。

同制度の適用に向けた本年7月の審議では承認見送りとなっていましたが,
今回の審査報告書では“プラセボ群と比較して5症状(倦怠感又は疲労感,
熱っぽさ又は発熱,鼻水又は鼻づまり,喉の痛み,咳)の快復までの時間が
短くなることが示されるなどし,SARS-CoV-2による感染症に対する有効性を
有すると推定するに足る情報は得られた”とのことです。

塩野義製薬では,承認以降の迅速な国内供給に向け,承認後は日本政府が
100万人分を購入する売買契約を交わしているとしており,順次出庫の体制を
整えています。
一方で,当面は一般流通ではなく,厚生労働省が所有した上で配分する流れと
なっており,既存治療薬であるパキロビッドパック(一般名:ニルマトレルビ
ル/リトナビル」(販売名:パキロビッド)の使用実績が考慮されるなどの
要件があるので,医療機関は,下記事務連絡や自治体,同社が開設する
ゾコーバ登録センター」と連携する等注意が必要のようです。

新型コロナウイルス感染症における経口抗ウイルス薬(ゾコーバ錠125mg)
の医療機関及び薬局 への配分について(令和4年11月22日医薬・生活衛生局総務課事務連絡)


第八波の到来も叫ばれる中,治療の選択肢が増えることは間違いなくプラス
要素ですが,適正使用および市販後調査を抜かりなく行い,有用な対策を
行っていきたいですね。

ゾコーバの名前の由来は
XO(ノックアウト,~がない)+ COVID-19 = Xocova
とのこと。

同社のインフルエンザ薬「ゾフルーザ」
XO(ノックアウト、~がない)+ influenza = Xofluza

の系統を受け継ぐ?同剤に注目です。

(わ)
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