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名前の由来は…?

2021年4月22日

今年は診療報酬改定の狭間ですが,いわゆる中間年の薬価改定があり,
昨日4/21に新薬の収載が行われました。
品目数は12ブランド18品目。効能・剤形追加によるイグザレルト(ドライシロップ)を
除けば皆新しいブランド名です。

恒例ですが,名前の由来を調べてみました(参考:インタビューフォーム)。

エドルミズ(錠50mg)
体重増加(Add),光を照らす(Illuminate)を連想させることから命名。

アルンブリグ(錠30mg/90mg)
Alk+LUNg+BRIGatinib
「ALK」融合遺伝子陽性非小細胞「肺」癌に効く「ブリグ」チニブ,でしょうか。

カルケンス(カプセル100mg)
一般名であるアカラブルチニブ(acalabrutinib)の「cal」部分と「次の世代へ」と
いう意味を込めた「sequence」の「quence」の部分を合わせて,この薬剤クラスの
進展に寄与することを期待して,「Calquence」と名付けられた。
なお,「cal」はアカラブルチニブの合成を行ったAcerta Pharma社の米国本社が
カリフォルニア州にあることにも由来。

オラデオ(カプセル150mg)
「Oral a day」(1日1回経口投与)の音に由来。

サルプレップ(配合内用液)
Sulfate(硫酸塩)+Preparation(前処置)

ヒュンタラーゼ(脳室内注射液15mg)
ムコ多糖症II型の別名「Hunter Syndrome」に類似し,本剤と同じ有効成分である
点滴静注用製剤の海外での販売名である「Hunterase」を活かせる日本語名として
「ヒュンタラーゼ」を採用。

ジムソ(膀胱内注入液50%)
ジメチルスルホキシド(Dimethyl Sulfoxide)の略号として「DMSO」が用いられて
いるが,その日本語読みとして汎用されている「ジムソ」から命名。
洋名の「Zymso」については,和名のジムソと響きが似た造語であるが,頭文字の
“Z”には「群や環などの中心」という意味があり,本剤が 間質性膀胱炎治療の中心に
なるという願いを込めた。

深刻な症状・病状治療の薬も多い中,「光を照らす」といった発想や,治療の中心に
なってほしいという願い等,前向きな思いが込められています。
もちろん,音からの命名だって「覚えやすい」良さがあります。

いつもながら,名前ひとつでも様々な背景が見て取れますね。

個人的には,今回の新薬の中で「腎性貧血治療薬」の
マスーレッド錠5/12.5/25/75mg」は,
絶対「増すーレッド(赤/血液)」だと思ってましたが…
「名称の由来:特になし」とのことで少々残念です。

また,再生医療等製品の「イエスカルタ点滴静注」は,何とかクリニックではないですが
Yes!CART(療法)かと思ったのですが(製品英名もYescartaのようです),
由来まで記載された資料に行き当たりませんでした。

(わ)
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