医情研通信 Column & Blog

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人の顔,猫の顔

2019年9月17日

つい先日,猫違い(?)をしてしまいました…。

自宅の近所で数ヶ月前から見かけるようになった,とある猫。
近づくと逃げてしまうのですが,玄関の前にたたずんでいたりするので気になっていました。

そんなある日,行きつけのスーパーに迷い猫のポスターがあるのに気づき,
写真を見てみると,例の猫と激似ではありませんか!

そこで,その猫をスマホで撮影することに成功してから,飼い主さんに連絡。
画像を送って確認してもらったのですが,
数秒で「どうやら,違う猫のようです…」と言われてしまいました。

毛色や体躯などの特徴も合っていたし,私としてはかなり似ていると思ったのですが,
言われてみると確かに,顔つきや耳の感じがちょっと違うような…?
猫は好きでも,飼ったことはないせいもあり,猫の顔の判別が甘かったようです。
さすが,飼い主さんは一発で見抜けますね。


顔の認識についていえば,ある研究によると,
人に備わっている認識能力により,判別できる他人の顔は約5000にも上るそうです。
しかし,関係する脳の分野に損傷を受けるなどの理由により「相貌失認」の状態になると,
顔のパーツを知覚はできても,全体として一つの顔としての認識ができなくなります。

ご自身が相貌失認であることを著書に書かれている,脳研究者の池谷裕二さんは,
一人ひとりの顔を判別する苦労を,
「道端の石コロに名前が付いていて,微妙な形を区別しながら覚えていく」
ようなものと例えています。
髪型や背格好,身に着けるものや動作の癖などで他人を識別しているため,
イメチェンされたりマスクを着けられたりすると混乱する,といった苦労もあるようです。

相貌失認でなくても,自分と違う人種など,なじみのない顔では認識が難しくなります。
人種間でもバイアスがある以上,猫の判別を間違うのも仕方がないことですよね…

しかし,その点AIは人間より優秀なようで,なんと今は,
「ねこ顔認識カメラ」付の猫用トイレがあるようです。
AI顔認識カメラが,自動で猫の顔を見分け,
トイレの様子や回数などを記録して健康管理に役立ってくれるのだとか。


近所の迷い猫について,飼い主さんはペット探偵にも相談していると言っていましたが,
今のところまだ見つかっていない様子です。
こういう時,AIが顔認識で見つけてくれたらいいのですが…。

(す)
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